2016年11月。今年もディエンビエンに行ってきました。
私たちが支援しているコーヒー農家のデモ農園で、コーヒーを収穫するためです。
まるで昔話の絵本に出てくるような風景を見ながら、農家のコーヒー畑へと向かいます。
毎回思いますが、私たち日本人には、懐かしさを感じさせてくれる、のどかで素敵な風景です。
稲田が広がる
昔の日本みたい?な風景
私たちが支援している農園のPhin家とUy家を訪問しました。
現地から定期的に届けられるレポートで、毎回、進捗状況をお知らせいただいていますが、やはり、自分たちの目・耳・鼻を使わないと理解は深まりません。
百聞は一見に如かず!これは私たちのチームが常に心がけていることとはいえ、初めてのコーヒー収穫体験。慣れない私たちにできるのでしょうか???
コーヒーに取り組むPhinさん(右)
Uyさん(右)と情報交換
昨年の寒波の影響により、タンビン(Tan binh)村の支援対象農家である Phin家でも、今年の収穫量が大幅に落ちる見込みです。生産性向上への、さまざまな努力がされていますが、天候には勝てません。自然と直に関わる仕事の厳しさを実感します。
こちらがPhinさんの農園です。私たちが抱いているコーヒー畑のイメージとはちょっと違う!?広い裏庭の斜面を利用したコーヒー畑です。
早速、収穫のお手伝い!私を含めた日本からの出張者3名による15分ほどの作業で、約3kg のコーヒーチェリーを収穫。これが意外にも大変な作業です!赤く熟したものだけを収穫するのですが、まだ緑色のものや、熟しすぎたもの、傷が大きなものなどが混ざっているため、除去する必要があります。簡単そうに見えて、意外と難しい作業です。ふうぅ。
赤く熟した果が収穫に適しています
コーヒーチェリー
洗います
まだまだ洗います
干します
このあたりでは、コーヒー生産を始める前は、コーヒーを飲んだこともなかった…という人たちがたくさんいます。でも今は、コーヒー農家自身が日常的にコーヒーを楽しむようになり、さらに他の地域産のものと比較して、自分たちの生産品の品質を自分たちで評価できるまでになりました。自らの意思で改善に取り組む姿勢!何事にも大切なことですよね。
ムンアンにあるUyさんの家
さて、コーヒーチェリーの精製です。
精製方法には、主に水洗式、乾燥式、半水洗式があります。
昨年は、水洗式精製法の設備を整えて実施。そして今期は「半水洗式」にもトライして、ムオンファン産コーヒー豆のベストな精製法を研究しました。
果実を取り除くとコーヒー豆が出現
精製処理は Ha家の設備で行いました。
収穫した豆は、均一に乾燥させないと風味が悪くなってしまいます。また、水洗式よりも乾燥期間のコントロールが長くかかり、丁寧な工程作業が必要となるため、大規模生産には向いていないとも言えます。
果肉をパルピングマシンで除去し、中のコーヒー豆を覆う薄い殻(パーチメント)の周りの粘液質を水洗・微生物発酵により除去した後、乾燥させます。
果肉の腐敗を防ぎクリアな風味になる一方、大量の水を使用するため、設備が整った地域でないと難しい精製法です。
果肉を除去せず、そのまま乾燥。乾燥後、不要な果肉を除去します。
コーヒーは強く個性的な風味を持つ仕上がりになります。
大量の水を使用しないため、水が少ない地域でも可能ですが、一方で気候に左右されやすい精製法です。
果肉は除去して、粘液質はそのままで乾燥します。
水洗式を簡略化した精製法で、大量の水は不要です。
精製作業後に、Uy家で情報交換。
おいしい食事もいただきました!