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![森をまもるコーヒーProject うごく・きづく・一歩ずつ!](assets/images/main_img02.png)
この活動が目指していることは、
「プロジェクトのきっかけ」でお伝えしている通りです。
しかしながら!
仕事でも日々の暮らしでも、何かを続けていると
さまざまなできごとが起こり、考えや思いが揺らいだりするものです。
さて、この揺れる思い?については、後ほどお話するとして
今年度のご報告をいたします!
いつものようにコーヒー栽培支援農家のひとり、Thietさんの畑を訪れてビックリです。コーヒーの木の間に並んでいるのはアカシアです。アカシアといえば、紙パルプの原料となる植林木です。しかし、コーヒー畑になぜアカシア?
コーヒーの木は、3〜5年生の実をつけ始める若木の頃に病気にかかりやすく、Thietさんの畑でも2〜3割の木の葉が病気で黄色く変色していました。感染を防ぐために「病気になった木は除去してアカシアに植え替えた方が良い」という、現地の協力企業Oriberry社(オリベリー)Phuong社長の指導により、アカシアが植えられていたのです。アカシアの根に共生する菌が土壌に窒素を供給してくれるため、肥料としての効果があるのです。できる限り有機栽培を、というPhuong社長ならではのアドバイスです。有機栽培については、唐辛子などを利用した自然由来の殺虫剤も試していますが、今後は葉や根から防虫物質を出す植物の混栽も試す予定です。また、枝豆、ピーナッツも一緒に植えて、継続的な有機肥料化を目指しています。
アカシアを植え、有機栽培、シェードツリーづくりに挑戦するThietさん
アカシアの苗木
コーヒーの木2本につき、アカシア2本の間隔で植えるか、アカシア1本にするか模索中。アカシアを植えると約2年でシェイドツリー
(日陰樹)としての機能が期待できる。
次に訪れたのは、もうひとりのコーヒー栽培支援農家であるPhinさんの畑です。そこにあったのは、アカシアといくつもの穴。話を聞けば、Thietさんとは逆の方法を試行中とのことでした。つまり、アカシアを先に植え、落ち葉などで土壌を肥やしてからコーヒーを植えるやり方です。
穴はコーヒー植栽用に掘られたもの。春にはコーヒーの木が植えられる予定です。
コーヒー栽培支援農家Thiet さんとPhinさん2件での収穫量です。昨年より20%減となる見込みです。(昨年2017年は約1トン)
しかしながら、品質は向上しており約80%が高品質!!(昨年は70%)
高品質だった豆は、協力企業Oriberry社が買い取りハノイなどのショップで販売。その他の豆は、地元消費用として栽培支援農家がある隣町Muong Angで売られます。
今年収穫されたコーヒーチェリー。
出荷するコーヒー豆を、みんなで袋詰めしています!
“高品質”とされた豆はハノイなどで販売されます。そのパッケージとなるデザイン
を、どちらにするか検討中。ディエンビエン省とゆかりのあるタイ族の文様があし
らわれています。
そして、こちらが商品になったディエンビエン産のコーヒー豆。
協力企業Oriberry社のショップで販売中!ぜひ御覧ください。
コーヒー栽培にアカシアを利用するメリットは前述しましたが、他にもメリットがあります。アカシアは成長が早く手間もかからず、そして早く現金化できます。紙パルプの原料目的なら密植して5〜6年、木材目的なら20年ほどで伐採して販売できます。
この“事実”を知ってしまったThietさんとPhinさん。今まで経験してきたコーヒー栽培からの収入とアカシアによる収入を比べれば、アカシアへと気持ちは動きます。Thietさんは、もっとアカシアを増やしたいと希望しています。
コーヒー栽培には豊凶のリスクがあり、施肥も必要。労働者への賃金が発生すれば、収入はさらにマイナスとなります。このプロジェクトの目的は、ディエンビエンの村びとたちの生計向上。トータルでの生計向上となれば良いのですから、状況に応じてコーヒー栽培に固執する必要はないという考え方もあります。
村びとたちの気持ちに寄り添っているか。その上でのプロジェクト活動となっているか。
これだけは念頭に置き、また動いて行きたいと思います。
コーヒーとアカシアの“ハイブリッド型”もあるのかもしれませんから。
今年はここを開墾して農園に。ディエンビエンにおける
コーヒー農園エリアは、増えています
コーヒーやアカシアで現金収入が入れば何をしたいかと質問してみると、Thietさんは「農園拡大のために
土地を買いたい」、Phinさんは「農地を守る柵を作りたい」とのこと。