ふやせば、減らせるんだって!

  • 住友林業
  • アスクル

はじめの一步は、JICA(独立行政法人国際協力機構)とともに。

2013年、たくさんの炭素を蓄積しているディエンビエンの森林を守るために
私たちは、JICAの技術協力プロジェクトである「北西部水源地域における持続可能な森林管理プロジェクト(SUSFORM-NOW)」に参加・協力しました。
この活動をきっかけに、2015年には《森をまもるコーヒーProject》が本格的に動き出しました。

2013ー2015年

住友林業株式会社とアスクル株式会社は、JICA(独立行政法人国際協力機構)の技術協力プロジェクトに参加して、ムオンファンコミューンに森林パトロール隊を作り、無計画な伐採や開墾、焼畑などの監視、組織的な森林保全トレーニングなどを支援しました。
その経験を踏まえて、住友林業とアスクルは2015年《森をまもるコーヒーProject》をスタート。

2016ー2020年

現地住民に無償で苗木提供など、継続してムオンファンコミューンで植林活動を通じて、森林保全に取り組んできました。

植林ロケーションはベトナム民主共和国北西部に位置
するディエンビエン省の山岳地帯にある
「ムオンファンコミューン」

※ディエンビエン省はハノイから飛行機で約 1 時間、
比較的にアクセスがよい場所です。

ムオンファンコミューン風景

ディエンビエンフー 勝利の記念像

2016〜2020年までに全6サイト、28.8haの植林を行いました

ディエンビエン省では、家畜の放し飼いの習慣があり、何も対策をしなければ、せっかく植えた苗木が家畜に食べられてしまう恐れがあります。そこで私たちのプロジェクトでは、植林地の周囲に家畜の侵入を防ぐための防護柵付きの植林モデルを展開しています。

植林地マップ

A MAP OF THE CSR FOREST RESTORATION SITES IN MUONG PHANG COMMUNE, DIEN BIEN DISTRICT, DIEN BIEN PROVINCE

This map is produced by JICA SNRM Project on 17 July 2018.

6つの植林地では、さまざまな変化がみられました。

2016 年_サイト1(1.8ha/西向き斜面)

  • 植栽してから3.5年経過した2019年では、枝張りが広がり、樹高は2m-5m、
    幹直径は8cm-12cmに。 木の成長状況が良好です。
  • 鳥類(サギなど)、昆虫類(蝶々、トンボなど)が、植林地に戻り始めてきました。
  • 植林地は豊かな生態系に戻りつつあり、順調に森林回復を進めています。

2016 年_サイト2(2.7ha/ 南向き斜面)

  • 植栽してから3.5年、枝張りが広がり、樹高は1.5m-4m、幹直径は5cm-10cmに成長。ここでも木の成長状況が良好です。
  • サイト1 と同様に、鳥類 (サギなど)、昆虫類(蝶々、トンボなど)は植林地に戻り始め、植林地の生態系が豊かに戻りつつあり、順調な森林回復を進めています。

2017 年_サイト3(6ha)

  • 住民に森林保全のインセンティブとして、植栽後約6年目にスパイシーなどが取れる「ミケリア」、「カンラン」の植林モデルを試みました。
  • (樹高:ミケリア.0.5m-0.8m、カンラン.0.7m-1.1 m)
  • 特別林用林(天然林)修復を目指したサイト3は、水源林として認められ、 2020年から水力発電会社から年間900,000VND/ha (約4,500円)を地域住民に支給されます。(樹冠被覆率は30%。)

2017年_サイト4(2ha/北向き)

  • 住民が木を育つ間に、現金収入になる「キャッサバ」と混植する植林モデルを試みました。
  • 水田跡地は土壌が貧弱で、森林再生に取り組むために、まずは土壌の栄養の改良が必要です。樹高:1.5m-2.0m

2018年_サイト5(7ha/ 北向き斜面)

  • 雨量不足などで、木は緩やかな成長を見せています。
    樹高:0.35m-0.8m 

2019年_サイト6(9.3ha/ 東北向き斜面)

  • ここではバビショウ、ミケリアとアラビカの一種カティモールコーヒーの混植モデルを試みました。

植林活動のまとめ

  • 2016年〜2019年にかけて、6サイト・計28.8haの森林再生を行いました。
  • 家畜の侵入を防ぐ保護柵の設置は、苗木の活着率を大幅に改善しました。
    特に2016年植林サイトでは、活着率は9割を超えました。村びともその効果に注目。
  • 一方、保護柵が壊れたら、出入口の閉め忘れなどの課題もあります。
    引き続き注意喚起など、対策の検討が必要です。

TOPIX

ベトナムディエンビエン省農業農村開発局より
森林管理等で表彰

2018年12月13日、住友林業株式会社、アスクル株式会社はベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)ディエンビエン省での森林管理、保護、開発モデル構築への貢献が認められ、ディエンビエン省農業農村開発局より表彰されました。
保護柵を導⼊した植林モデルを推進したところ、従来の植林モデルより苗⽊の⽣存率が⾼くなり、保護柵付きの植林モデルの有効性を実証。これらの成果が同省農業農村開発局に認められ、同省より表彰されました。

植林活動だけでなく、コーヒー栽培を通じて村びとを支援する《森をまもるコーヒーProject》

目的は、ディエンビエン省に適した植林活動だけでなく、さらに村びとたちの仕事をふやし、
価値ある“商品”を生み出して国内外の流通につなげ、生計向上をはかること。

コーヒー栽培支援の展開

2015〜 2019の5年間で栽培面積は、3倍(0.5ha⇒1.85ha)に広げ、農園のキャパシティも完備されてきました。

2019年

アカシアの木で日陰をつくって収穫効率が向上。

2016年植栽 ⇒2019年のデモ農園

  • 農地は大変きれいに整備されています。
  • また シェードツリー として植えられたアカシアの成長がよく、その役割が発揮されています。
    シェードツリーの効果:収獲効率アップを実感。(昨年度は7回今年は3回)

2019年に新規植栽されたデモ農園

  • 2019年は、悪劣な気候条件(猛暑日及び寒波)により、植栽したコーヒー苗木(500本)の活着率が2割未満という結果に。
    来年雨季に補植する予定です。
  • また雨量不足への対応策として、2019年10月に水タンクを新設。
  • 「我々の支援があったから、失敗があっても支援農家が頓挫せず、前向きにいろんなことに対してチャレンジできる」と、現地協力企業Oriberry社の社長Phuongさんが評価。

安定した収入が見込めるようになってきました。

2019年支援農園コーヒー出荷&収入見込

  • ムオンファンにて、若干コーヒー栽培の広がりが見られます。(10世帯14世帯)
  • 支援農家は年間約20万円で、安定した収入が見込めるようになってきました。
《森をまもるコーヒーProject》2015〜2019年のまとめ

《森をまもるコーヒーProject》2020年から…

2015年に本格的な取り組みを始めた本Projectは、2020年でひと区切りを迎えました。PhinさんとThietさんのコーヒー農園はムオンフォンコミューンに根ざし、モデル農園として村びとからの注目が高まりつつあります。彼らのチャレンジはこれからも続いていきます。そして、わたしたち日本の企業は、現地のコーヒー豆の購入などを通じ、継続して活動に支援を行っていきたいと思います。

2020年度のコーヒー栽培支援計画

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